2025/11/20
「育児と仕事の両立を目指して産育休者・上司・人事を支えるために導入」
人事グループ健康推進ユニットリーダー藤田 篤史様(右)
人事グループ健康推進ユニット主任大澤 里美様(左)
人事グループ健康推進ユニット丸山 和子様(中)
常時多くの産育休者を抱える三菱食品では、産育休者への支援と復職のサポートに注力している。2024年には休業者管理・支援システムのADVANTAGE HARMONY(以降、HARMONY)に加え、育児と仕事の両立を支援するサービスCareer&Babyを導入した。
「育児にも仕事にも前向きに取り組める環境を整えたい」と語る同社担当者に、導入の背景と活用状況、今後の展望を伺った。
■【ご導入いただいているサービス】
アドバンテッジハーモニー
アドバンテッジウェルビーイングDXP
アドバンテッジ タフネス
アドバンテッジ ピディカ
アドバンテッジ カウンセリング
アドバンテッジ ヘルスケア
アドバンテッジスマートライフプログラム
社員研修プログラム
オンライン健康セミナー
三菱食品様の サービス導入 のPOINT
■POINT.1 育休・休職者とのつながりを保ち、安心して復職できる環境づくりを重視していた
■POINT.2 アンケートと動画で心身の状態や両立課題を可視化できる点を評価
■POINT.3 上司・人事も活用できる仕組みで、組織全体の支援体制を強化
導入担当者様の声
【Q】Career&Babyを導入した経緯について教えてください
【A】復職準備のサポートや会社とのつながりの重要性を感じていた
育休中の従業員には仕事のことは忘れ、子育てに集中してもらいたいと考えていますが、職場を離れると、どうしても「取り残され感」や「キャリアの空白」といった不安が募り、復職へのハードルも上がってしまいます。かねてより会社とのつながりの維持や、復職準備のサポートが重要だと感じていました。
また、育休者だけでなく、メンタル不調による休職者に対しても、オンラインにてリワーク施設に通所するようなサービスが利用でき、休職者とのコミュニケーションや手続きをシステム上で一元管理が可能なHARMONYを導入しました。
産育休の対象者は、女性社員では常時60〜80人が休職しており、、男性社員で子供が生まれ育休取得が可能な社員は年間で約60人程度います。職場復帰後に育児と仕事の両立で悩む従業員も多く、特に第一子のときは環境変化による強いストレスにさらされます。事務的な対応はHARMONYで十分できますが、より産育休者に適したメンタル面のフォローが重要だと感じ始めていました。
加えて、男性にも積極的に育休を取得してほしいという思いもありました。現在、当社の育児休業及びパタニティ休暇(男性向け育児休暇)を合わせた取得率は75%となっています。数年前までは取得者が0名だったことを考えると、十分増えてきてはいるのですが、当社の目標は取得率100%、子供が生まれたら男性社員も育休をとるのが当たり前な会社を目指しています。そのためには、パートナーの妊娠や育児に関する理解を一層深める必要性も感じていました。
こうした背景があり、HARMONYの機能に加えて、育児と仕事の両立支援ができるCareer&Babyの導入を決めました。
【Q】導入の決め手について教えてください
【A】学術的な理論に基いたアンケートと状況に合わせた動画コンテンツが魅力だった
学術的な理論に基づき、自分の状態を客観的に把握できるアンケートと、状況に合わせた動画コンテンツが決め手でした。
Career&Babyでは毎月1〜2回、2種類のアンケートが配信されます。心の健康状態を測る「WHO-5」は、一定の基準を下回った場合にカウンセリングを促し、早期フォローにつなげられる点が魅力でした。また休職中以外の妊娠期や復職後の両立期のワークライフバランスを可視化する「SWING-J」は、仕事と家庭の相互の影響を把握できるだけでなく、復職後はそれぞれの課題に応じた動画コンテンツが提供される点も評価ポイントでした。
動画コンテンツは休職前についても、体制構築の意味で活用性があると考えています。復職してから「仕事と育児の両立は想像以上に大変」と気づくこともありますが、例えば「家庭内での家事分担」をテーマにした動画などであらかじめ知識を身につけ、ご夫婦で話し合っておければ安心感が得られると思います。
また、産育休者に対するマネジメントを学べるコンテンツもあり、上司も知識を身につけられるようになっています。弊社ではリーダークラスが400人近くおりますが、全員が産育休者のマネジメントを経験しているわけではありません。産育休者をフォローする上司としての個々の経験や裁量に頼ることなく、組織としてサポートするための後押しになると感じました。
従来の研修などとは異なり、動画コンテンツならオンラインで視聴できます。場所を問わず利用できる点も、全国に多数の拠点を持つ弊社にとって決め手の一つとなりました。
【Q】導入後の活用状況について教えてください
【A】出産や育児と仕事との両立について理解を深めるためにアンケートや動画コンテンツを活用
主に、出産や育児、仕事との両立について理解を深めるために、アンケートや動画コンテンツを活用してもらっています。利用頻度はそれぞれの不安や状況により異なりますが、こまめにアンケートの回答やコンテンツの視聴をし、役立てている人もいます。
実際に利用した従業員からは「復職前の準備について知ることができた」「育児が始まると毎日大変なので、事前に知識を入れておくことは大事だと感じた」「アンケートの結果を定点観測できると、自分の考え方の変化を把握するのに役立つ」といった声が寄せられました。
疑問点や相談事はHARMONYのチャット機能で連絡してもらっています。「保育園に入園できなかった場合、育休の終了時期や手続きはどうなりますか」といった個別の相談もできますし、密なやりとりが迅速にできるおかげで、「保育園への入園の申請時期を誤解していた」ということがわかり、申請漏れを防げたケースもありました。
また、アンケートの結果やコンテンツの視聴状況、上司や人事との面談の記録は、本人と上司、人事が確認できます。人事が休職者と上司の双方を適切にフォローするうえでも効果的だと感じています。
【Q】今後の展望について教えてください
【A】利用状況の分析結果で課題を把握し、安心して働ける環境を整えていきたい
周囲の人間との摩擦や申し訳なさ、漠然とした不安感は休職者や復職者によくある悩みです。特に男性社員は長期休暇に対する心理的ハードルの高さが顕著に見られます。出産や育児への理解を深め、「育休をとろう」と考えてもらうきっかけとして、まずは動画コンテンツを見てもらえるように促す重要性も感じています。
また、「ワークライフバランス」から「ワークライフコントロール」への意識改革も図っていきたいと考えています。仕事と育児が両立できているだけではなく、自身の状況をコントロールできているという実感を持つことが、仕事にも育児にも前向きに取り組むために欠かせません。
そのためにも、今後はCareer&Babyの利用状況を分析しながら、より一層人間関係や業務形態の課題を把握し、本人と上司の双方が安心して働ける環境を整えていきたいと思います。
※文中記載の法人名・組織名・所属・肩書き・データなどは、すべて取材時点(2025 年 9月)での情報です。